花粉症の処方薬/市販薬 アレジオンのまとめ

眠気が少ないと言われる第二世代抗ヒスタミン薬の一つ。
第二世代抗ヒスタミン薬の中でのアレジオンの評価としては、
アレロック、ジルテックなどより効き目は弱いが眠気も少ないという評価が大半。
アレグラ、クラリチンと比べると効き目は同じくらいかちょっと上、眠気も同じくらいか
ちょっと多いかくらいのポジションの薬。

アレジオンに関する主な情報

1日薬価:146円(1日1錠) 薬価サーチより
一般名:エピナスチン塩酸塩
製造メーカー:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
アレジオンに関する一次情報 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

アレジオンに関しては、ネットで調べた限り、主な関心は下記に集約される。
・アレジオンとアレグラなど他の第二世代抗ヒスタミン薬との比較
・処方薬のアレジオン錠20と市販薬のアレジオン20で効果や値段はどう違うのか?
・市販薬のアレジオン20とアレグラFXどちらを選ぶのがよいのか?
・小児科でアレジオンをよく処方されるのはなぜか?
・アレジオンの効果は本当に24時間持続するのか?

アレジオンとアレグラなど他の第二世代抗ヒスタミン薬との比較

アレジオンは、花粉症の薬の主力として活躍する抗ヒスタミン薬の中でも眠くなりにくいと
言われる第二世代抗ヒスタミン薬に属しているわけだが、代表的な第二世代抗ヒスタミン薬
のアレグラ、クラリチン、ザイザル、アレロックなどと比較して何が違うのかという点が
気になる点かと思うので記載したい。

主な観点としては、効き目はどうなのか?代表的な副作用である眠気はどうなのか?
薬の値段はどうなのか?といったところではないかと思う。

値段(1日薬価)と眠気に関しては客観的なデータがあるのだが、効き目に関しては製薬会社
が複数の薬の効果を横断的に実験したデータがないため、複数の医師、薬剤師などの認識
を元に類推するしかないというのが現状。加えて相性というのもあるようだ。

■薬価について
一番比較しやすいのが薬価だ。第二世代抗ヒスタミン薬は1日2回飲むものと、1回飲むものの
2種類が存在するので、わかりやすく1日あたりの薬価(1日薬価)で比較するのがよい。
薬価サーチを元に代表的な4つの薬、アレグラ、クラリチン、ザイザル、アレロックと比較すると、
・1日薬価
アレジオン 146円(1日1回)
アレグラ 151.2円(1日2回)
クラリチン 99.4円(1日1回)
ザイザル 111.8円(1日1回)
アレロック 120.4円(1日2回)
ということで、薬としてはかなり高い部類に入ることがわかる。アレグラより若干安いくらい。
ザイザル以外はジェネリックが存在するが、ジェネリックの薬価は先発品の6割程度という
のが相場なので(この辺この辺の記事参照)、序列は基本的に変わらない。

■眠気について
眠気に関しては私が書いたアレロックのまとめ記事でも書いたのだが、 行政機関である
医薬品医療機器総合機構に掲載された各花粉症薬の副作用の項目に眠気に関する
実験データ(臨床データ)があって、これを使うと一応客観的な比較ができる。
クラリチンの副作用   眠気:0.7%(52件/7049例中)
アレジオンの副作用 眠気:1.2%(102件/8443例中)
アレグラの副作用   眠気:2.3%(158件/6809例中)
ザイザルの副作用  眠気:5.2%(67件/1292例中)
アレロックの副作用  眠気:7.0%(674件/9620例中)

このデータを見る限りでは、アレジオンはアレグラよりも眠気の副作用を訴えた人が少なく、
クラリチンに次いで眠気の少ない薬ということになる。ただ、第二世代抗ヒスタミン薬の中で
薬の添付文書の「重要な基本的注意」の項目に「眠気を催す」等の記載がないのは
アレグラとクラリチンだけである。

・重要な基本的注意
アレグラ
クラリチン
アレジオン

これはニセの薬(プラセボ)と比較して眠気の副作用が多いのか変わらないのかを実験したか
どうかの違いだ。アレグラとクラリチンに関しては眠気に関してプラセボとの比較実験を
行なっているが、アレジオンに関しては薬のデータの中にないので、この実験をやっていない、
もしくはやったがプラセボよりも眠気の副作用がでてしまったかのいずれかだと思われる。

結論としてはアレグラ、クラリチン並に眠気が少ない薬ではあるが、プラセボの実験による
立証がされていないので信頼性に欠ける。従ってパイロットや交通関係の人には処方が
できない、といったポジション。

■効果に関して
アレジオンのアレグラや他の薬と比較した効果に関する比較に関しては、先に述べたように、
客観的な実験データが存在しないため、患者の感想や、処方した効果を実感できる医師や
薬剤師などの主観に頼るしかないというのが現状だが、ネット上で複数のソースを見る限りでは、
アレロック>=ザイザル>>アレジオン>=アレグラ=クラリチン
という感じで、アレロックやザイザルよりも弱く、アレグラ、クラリチンと同等かちょっと強いくらい
という認識が多いようだ。

三代目院長の独り言「花粉症の兆し」
医師の方が自身の使用経験を元に効果と眠気の2軸でポジショニングマップを作成している。
効果はアレロック>ジルテック=ザイザル>タリオン>アレジオン>アレグラ=クラリチン
眠気はアレロック>ジルテック>ザイザル>=アレジオン>タリオン>アレグラ=クラリチン
という評価。

耳鼻科医の診療日記「第2世代抗ヒスタミン薬の比較」
耳鼻科医の第二世代抗ヒスタミン薬の比較記事。
効果はアレロック>ジルテック=ザイザル>アレジオン=アレグラ=クラリチンなど
眠気はアレロック>ジルテック>ザイザル>クラリチン>アレジオン>アレグラ
という評価。

新宿駅前クリニック「眠くならない花粉症治療薬」
アレルギー科がある病院の抗アレルギー薬の比較記事。
効果はアレロック=ジルテック>アレジオン=エバステル=アレグラ>クラリチン
眠気はアレロック=ジルテック>アレジオン=エバステル=アレグラ=クラリチン
という評価。

元MR、現在は開局薬剤師「花粉症の薬はどれがオトクか?(内服編)」
薬剤師の方の自分で飲んだ上での花粉症薬の比較記事。表現から推測すると、
効果はアレロック>ジルテック=クラリチン>アレジオン>アレグラ=エバステル
眠気はアレロック>ジルテック>アレジオン=エバステル>=アレグラ=クラリチン
という評価。

花粉症の薬について教えて下さい。今はアレジオンを服用中ですが、いまいち効きが...
アレジオンがあまり効いていない人の質問で、この人はジルテックやアレロックは
効いているようだ。アレロックやジルテックは第二世代抗ヒスタミン薬の中でも強い薬として
有名。ただ近年ザイザルというジルテックの眠気成分だけを取り去った薬が開発されて
いるので、ジルテックを試すよりはザイザルを優先して使ったほうがよいと私は思う。
詳しくはザイザルのまとめの記事を参照。

追記で、この記事を書いた後の調査で第二世代抗ヒスタミン薬の効果比較論文が存在する
ことが判明したため、それらの結果も踏まえて再度まとめ直した記事を下記に記載したので
興味のある方はご参照いただければと思う。
花粉症の薬、第二世代抗ヒスタミン薬の強さ・眠気比較まとめ
治験論文の内容、複数の医療関係者の見解をまとめた結果、薬の強さと眠気の関係は
下記のようになっていると結論づけた。


処方薬のアレジオン錠20と市販薬のアレジオン20で効果や値段はどう違うのか?

アレジオンに関しては、医療用成分を市販薬に転用した「スイッチOTC薬」の第二世代
抗ヒスタミン薬として、ザジテンに次いで世に出たのが大きなトピックの一つであろう。
ザジテンに関しては第二世代とは言え、比較的眠くなりやすいことで有名だったので、
眠気の少ない花粉症薬としてはじめて市販薬として登場した意義は大きい。ちなみに
各第二世代抗ヒスタミン薬の市販化の順番は以下のとおり。
ザジテン(パブロン鼻炎カプセルZ):2006年12月1日
アレジオン(アレジオン10):2011年10月25日
アレグラ(アレグラFX):2012年11月1日
ジルテック(ストナリニZ、コンタック鼻炎Z):2013年2月1日(ストナリニZコンタック鼻炎Z)
アレジオン(アレジオン20):2015年12月1日

※アレジオンに関しては2011年に発売されたものと2015年に発売されたものでは
有効成分エピナスチンの用量が違う。2011年発売のものは有効成分が医療用の半量、
2015年のは医療用のものと同量が配合されている。

■アレジオンの処方薬と市販薬アレジオン10の効果の違いについて
※下記は2015年12月1日以前に発売されていたアレジオン10に関する話題。
現在は医療用と同用量のアレジオン20が発売されているため、なんら気にすることはないが、
一応記事としては残しておこうと思う。

ただ、アレジオンの処方薬に関しては、通常有効成分20mgのものを処方するのに対し、
市販薬のアレジオン10に関しては、その半分の10mgしかないこともあり、その点に関して
言及をしている記事も多い。

太融寺町谷口医院「セルフ・メディケーションのすすめ~花粉症編~」
病院が月1で記載している記事で、花粉症に関して記載をしている。
アレジオンの市販薬化は喜ばしいことではあるが、この病院で患者に投与した経験では
完全に症状を取るには最低でもアレジオン20mgの投与が必要だとのこと。

薬剤師kittenの雑記帳「アレジオン10 発売」
薬剤師の方のブログで、この方も医療用では通常20mgを使うのに、市販薬は10mgで
本当に効果が出るのかと疑問を呈している。コメント欄を見ると、別の医療関係者が
眠気と効果は相関(比例)しない記事があったなどのコメントをしている。ちなみに先に
挙げたザジテンは眠気が多い薬という認識が医療関係者の中では一般的なようだ。

ということで、上記の記事のコメントによるとインタビューフォームという、薬の添付文書
よりも詳しい医薬品解説情報に10mgでもよいのか20mgじゃないとだめなのかの答えが
載っているようだ。
アレジオンのインタビューフォーム

専門的すぎるので、適宜コメントを付加して抜粋すると、19ページの
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(5) 検証的試験(多くの患者に薬の有効性や適正用量などを試す試験)
1) 無作為化並行用量反応試験(薬の用量による効果・反応の違いを確認する試験)
② アレルギー性鼻炎の場合
通年性アレルギー性鼻炎患者194例を対象にエピナスチン塩酸塩10mgまたは20mgを1日1回
2週間経口投与し,有効性,安全性及び有用性を二重盲検法で検討した。
有効性,安全性,有用性のいずれにおいても有意差はなかったが,アレルギー性鼻炎に
対する本剤の用法・用量としては10mgの1日1回投与が適当であると推察された。
出典:奥田 稔ほか:耳鼻咽喉科展望 35(補 4),269, 1992
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という部分で、結論としては、「アレルギー性鼻炎に関して」は10mgの投与と20mgで
効果に差がないので10mgが適量ということのようだ。本当は「耳鼻咽喉科展望 35」にあるで
あろう元データのグラフとかも見たいところだが、会員にならないと手に入らないらしい。

ちなみに蕁麻疹、湿疹、皮膚炎に関しては20mgの方が10mgよりも高い効果があったようで、
これが医療用のアレジオンは皮膚炎などへの効能の記載があるにもかかわらず、
市販薬のアレジオン10に関しては花粉症に対する効能しかない理由と思われる。

■アレジオンの処方薬と市販薬アレジオン20のどちらが安いかについて
実際に医者から診療を受けて処方箋を貰う場合、複数の薬(目薬や点鼻薬など)をもらう
ことがほとんどなので、比較はしにくいのだが、薬剤師の方が別の薬でシミュレーションを
している記事があったので、これを元に比較をしてみるのが良さげ。

アレグラFを購入とアレグラ錠60mgを処方して貰うのはどの位違うかな?
この方は市販薬のアレグラFXと処方薬のアレグラ錠60mgの価格の比較を以下のように
行なっている。
・アレグラを2週間分購入した場合の価格比較
アレグラFX:1980円
アレグラ錠60mg:
初診料、診察料、院外処方せん料等々が約1000円(3割負担)
調剤基本料、薬歴料、薬代等々が約1100円(3割負担)
合計約2100円
ちょっと薬の値段構成の内訳がわかりにくいので、下記のサイトを参考に細かく求めてみる。

薬代の計算方法(調剤報酬の算定)
いろいろ探した結果、上記サイトが一番わかり易いのだが、どうやら情報が古いらしく、
診療報酬の構成に関してはこのサイトも参考にしながら計算をしてみる。

これらによると薬の値段は調剤基本料、調剤料、薬学管理料、薬剤料、特定保険医療材料で
構成されているようだ。それぞれ点数方式で計算され、1点が10円。最終的に保険で3割負担
になる。薬剤料は1剤・1日分ごとに計算した後、五捨五超入して、服薬日数を乗して求める。
最新の調剤報酬は日本薬剤師会調剤報酬点数一覧を使う。

アレグラ60mgを2週間(28錠、アレグラは1日2回だから)処方されたケースで計算すると、
調剤基本料:40点
調剤料:63点(7日以下部分5点x7日+8日以降4点x7日)
薬学管理料:41点(薬剤服用歴管理指導料)
薬剤料:210点(薬価75.6円x1日2回x14日=15点x14日)
合計354点で3540円の3割負担だから1062円。

計算の方法に間違いがなければ、病院にかかる金額を1000円と仮定すると、
アレグラ2週間分を市販薬、処方薬として手に入れる場合の金額は、
アレグラFX:1980円
アレグラ錠:2062円
ということで、アレグラに関しては2週間なら市販薬の方が安いという結論。

同様の方法でアレジオンに関しても計算してみる。
市販薬のアレジオン20は1日1錠で12錠入っているようだ。値段は2138円。
エスエス製薬「アレジオン20」
アレグラFXは2週間分で1980円、アレジオン20は12日分で2138円だから、
市販薬に関してはアレジオンはアレグラより高いことになる。
ということで、処方薬も市販薬に合わせ、12日分で計算をする。
調剤基本料:40点
調剤料:55点(7日以下部分5点x7日+8日以降4点x5日)
薬学管理料:41点(薬剤服用歴管理指導料)
薬剤料(アレジオン錠20のケース):180点(薬価146円x1日1回x12日=15点x12日)
薬剤料(アレジオン錠10のケース):132点(薬価109.5円x1日1回x12日=11点x12日)
アレジオン錠20の場合の合計は、316点で3160円の3割負担だから948円。
アレジオン錠10の場合の合計は、268点で2680円の3割負担だから804円。

ということで、アレグラのときの計算と同様に、病院にかかる金額を1000円と仮定すると、
アレジオン12日分を市販薬、処方薬として手に入れる場合の金額は、
アレジオン20:2138円
アレジオン10:1980円
アレジオン錠20:1948円
アレジオン錠10:1804円
ということで、アレジオンに関しては医者からもらったほうが安いというのが結論。

上記、アレグラに関しては市販薬のほうが安くて、アレジオンに関しては処方薬のほうが
安いという結論を出したが、これはあくまで2週間なり12日でのケースの話で、
花粉症の人は通常1ヶ月以上薬をもらうだろうから、長期処方ならいずれのケースも
医者からもらったほうが安くなる。

後日、私自身が実際にもらったレシートをベースに各花粉症処方薬の初診料、診察料を
含めた値段を細かく出した記事を書いたので、詳しく知りたい人は下記を参照。
花粉症の薬を病院で処方してもらうといくら掛かるのか計算してみる
アレジオンに関する結論だけ書いておくと、14日分なら処方薬、市販薬ほぼ同額だが
ちょっとだけ処方薬が安く、30日分なら処方薬が圧倒的に安くなるという結論。具体的には、
市販薬:14日分2310円+税、30日分4950円+税
処方薬:14日分2180円、30日分2960円
となる。

市販薬のアレジオン20とアレグラFXどちらを選ぶのがよいのか?

上記のアレジオンの処方薬と市販薬の比較の部分でも色々書いてしまったので、
結論を中心にまとめると、

値段はアレグラのほうがアレジオンよりも安い。
アレグラFXは14日1980円、アレジオン20は12日で2138円。

効果に関してはアレグラもアレジオンも同じくらい。
アレグラとアレジオンの効果は同じくらいかアレジオンのほうがちょっと強いという人もいる。

眠気に関してはアレグラの方がアレジオンよりもないと思われる。
ニセの薬(プラセボ)との比較で眠気がないことが実証されているのはアレグラとクラリチンのみ。
アレジオンには薬の添付文書の「重要な基本的注意」の項目に「眠気を催す」等の記載がある。
ただ、臨床データによるとアレジオンの眠気に関する副作用の報告は、アレグラやクラリチンより
低い。

薬の服用回数に関してはアレジオンが1日1回、アレグラが1日2回。

総合的に考えると、性能は大体同じくらいだが、値段と眠気に対する信頼性という観点で、
アレグラFXのほうが優れているのではないかというのが私の判断。

小児科でアレジオンをよく処方されるのはなぜか?

ネットでアレジオンに関して検索するとやたらと小児科で処方された記載を見かける。

悪妻日記「アレジオンなう」
3歳の子供がアレルギーで小児科でアレジオンをもらったとのこと。アレジオンはまずいらしい。

教えて!goo「アレルギー性鼻炎に対してアレグラとアレジオンで効果の違いがあるのでしょ」
質問はアレグラとアレジオンに効果の違いがあるかというもので、結論としては大差ない。
10歳の長男がアレルギー性鼻炎でアレジオンを処方されたらしく、アレグラとの違いを聞いている。
回答によるとアレグラは小児用として30mg(大人は通常60mg)の錠剤があるが粉薬はない。
アレジオンはドライシロップがあるので、体重によって量を調整できるため、小児科の先生が
好んで使うことが多いとのこと。

ヤフー知恵袋「小児科の先生がアレジオンを好んで出す理由を教えてください。」
ずばりな質問。脳内移行が少なく、小児に対しての適応があり、ドライシロップ製剤で比較的
低年齢の小児に服用しやすいためとのこと。補足すると、脳内移行が少ないというのは第二世代
抗ヒスタミン薬全般の特徴で、 これが少ないので眠気の副作用が出にくい。

ヤフー知恵袋「ジルテックとアレジオン。変更は可能ですか?」
小3と年中の子供を持った方からの質問。この人も言っているが、アレジオンのドライシロップは
飲めないほど苦くてまずいらしい。回答によるとジルテックの小児処方が可能になったのは
2009年からで、アレジオンは小児のアレルギー=アレジオンと言っても過言ではない程効果も
認められているとのこと。ちなみにジルテックはアレジオンと同じ第二世代抗ヒスタミン薬で、
アレジオンよりも効くが眠くなると言われている薬。

日薬理誌「塩酸エピナスチンの薬理学的特性および臨床効果」
アレジオンドライシロップ1%の臨床データをアレジオンを開発した製薬会社の方が解説している
もの。かなり専門的な内容だが、重要なのはアレジオンのドライシロップを開発した経緯。
小児への適用(特に当初は小児気管支喘息に対して)のためドライシロップ製剤の開発が
進められ、2005年1月にアレジオンドライシロップ1%として承認されたとのこと。

いろいろなソースから得られた情報を総合すると、小児科でアレジオンを処方されるのは、
・ドライシロップ製剤があるので、味はともかく体重による量の調整がしやすい
・小児の気管支喘息やアトピーなどに対して昔から使われてきたので小児への実績がある
ことが理由のようだ。

ちなみに市販薬のアレジオン10は15歳未満の小児には適用しないよう注意書きがある。
エスエス製薬「アレジオン10のよくあるお問い合わせ」
※本件、2015年に発売されたアレジオン20に関しても同様。市販の第二世代抗ヒスタミン薬に
小児適応があるものはない。

アレジオンの効果は本当に24時間持続するのか?

これはネット上で薬剤師の方が疑問を呈していたのでちょっと調べてみた。

薬剤師kittenの雑記帳「アレジオン10は就寝前に服用?」
じゃぁ、「寝る前に服用して、24時間効果があるの?」と言うと・・・
アレジオン10の半減期は10時間くらい・・・。
ちょっと怪しいかも知れない。
との記載。ちょっと専門的すぎて理解が追いつかないが、薬の血中濃度の半減期が何時間
なのかが薬の効果時間に関連しているようだ。いくつかの薬の半減期を調べてみる。

アレジオンの半減期: 9.2時間
ジルテックの半減期:約7時間
クラリチンの半減期:約7時間(グラフから推測)
アレグラの半減期:9.6時間 ※アレグラは1日2回飲む薬
1日1回処方のアレジオン、ジルテック、クラリチンの半減期を比較しても大差がないというか、
むしろアレジオンのほうが長い。そして1日2回服用するアレグラはもっと長い。

いまいちこのデータを見る限りでは、半減期が何時間かによって薬の効果持続時間を
推測するのは難しいのではないかという結論。